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【2022年度版】読書初心者でも簡単に読めるおすすめ小説100選!

こんにちは、かつのぶ@katsunobvです!

読書初心者の方のために、読みやすく・絶対に読んで後悔しない小説をジャンルごとに100冊紹介します。

有名な小説から、聞いたことない小説まで幅広く取り上げました。

いろんな本を読んで、自分のお気に入りの一冊を見つけましょう!

小説の紹介の他にも、小説の選び方やたくさん読む方法を併せて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

記事の内容

  • ジャンル別:初心者におすすめ小説
  • 小説の選び方のコツについて
  • 小説をたくさん読むための方法

目次

間違いなく面白い小説10選

どの本を読もうか迷っている人向けに、初心者が読みやすく・後悔しない小説を10冊まとめました。

ミステリーから恋愛、面白系いろんなジャンルを紹介していますので、気になった1冊を読んでみてください。

いま、会いにゆきます

出版社:小学館、作者:市川拓司

これほど哀しくて、幸せな涙を流したことはありますか? 「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は稀有と言えるでしょう。父子家庭に起こる愛の奇跡―わずか6週間のその奇跡が、父に子に、永遠に生きつづけるかけがえのない心の宝を与えてくれます。アーヴィング、ヴォネガットをこよなく愛し、リリカルだが湿度のない、軽いユーモアを含んだ語り口が、静謐な慈しみに満ちた愛情の物語をあざやかに描き出します。読者の一人一人が心の奥底で共有できる記憶が、この物語にはあるはずです。哀しいけれど幸福な、最高の恋愛小説です。

2004年に映画化、2005年にはテレビドラマ化されていて、さらにアメリカや韓国でも放送されている世界で注目を集めた小説です。

記憶を無くして蘇った妻が夫と息子との共同生活をしていく内に、二人への愛を思い出していく。この過程を読むことで、愛の深さを感じることができます。終盤は、何度も読み返しているにも関わらず、涙が溢れて止まりません。

今まで読んだ本の中で一番好きな本です。

君の膵臓を食べたい

出版社:双葉社、作者:住野よる

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラー青春小説

ちょっと怖いタイトルからは想像できないくらいの感動ストーリー。

主人公の春樹とさくらの気持ち(心)のすれ違いや移り変わりを見事に表現していて、読んでいて心を奪われました。

本書を読み終わった後、自分の生き方について考えさせられる素晴らしい小説ですね。

火の粉

出版社:幻冬社文庫、作者:雫井脩介

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い…武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴んでいく。手に汗握る犯罪小説の最高傑作。

文章もシンプルなので非常に読みやすく、情景描写がうまいためイメージが浮かびやすい。

実際にいそうな人が登場人物に出てきて、自分の周りでもこんなことに巻き込まれる可能性があると思うと、ゾッとします。

読み進める内に、じわじわと自分のことのように思わせる文章術は見事ですね。

ガラスの塔の殺人

出版社:実業之日本社、作者:知念実希人

2022年の本屋大賞にノミネートされた、超本格ミステリー小説。

500ページを超える小説にも関わらず、飽きさせないストーリー展開で気づけば読み終えていました。

衝撃のラストにつながるいくつもの伏線が張り巡らされていて、読み終わった後の爽快感は半端じゃないです。

情景描写が非常にうまく、複雑な建物が舞台だけどしっかりと頭にイメージできるので、自分が物語にどっぷりと入り込むことができますよ。

ミステリー好きにはぜひ読んでほしい一冊です。

夢をかなえるゾウ

出版社:文響社、作者:水野敬也

ダメダメな僕のもとに突然現れたゾウの神様“ガネーシャ”。 なぜか関西弁で話し、甘いものが大好きな大食漢。そのくせ、ニュートン、孔子、ナポレオン、最近ではビル・ゲイツくん(、、)まで、歴史上の偉人は自分が育ててきたという……。しかも、その教えは「靴をみがく」とか「募金する」とか地味なものばかり。こんなので僕の夢は本当にかなうの!?

自己啓発本と紹介されているけど、実際はめちゃくちゃ面白い小説です。

主人公とゾウ(神様)の掛け合いが非常にユーモアで、読んでいて全く飽きがこない。

ただ、きちんと締めるところは締める。

自己啓発に興味がない人でも、スラスラ読めて、自分の行動について見直すきっかけをくれる素晴らしい本です。

ストーリーは、ほとんどないようなものなので、気になったところから読めるのもポイント!

楽園のカンヴァス

出版社:新潮社文庫、作者:原田マハ

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――

美術知識がない私でも、ルソーの絵画の謎解きの物語は、とても興味を引き立ててくれました。

どこまで事実で、どこまでフィクション?と想像しながら楽しく読み進めますよ。

読み進める時にキーワードをメモし、自分でも謎解きをすることをおすすめします。

半沢直樹シリーズ

出版社:文藝春秋、作者:池井戸潤

大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、醜い保身に走る浅野支店長。沸き上がる怒りを抑えながら、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返し――ここから痛快リベンジ劇が始まる!

「やられたらやり返す、倍返しだ!」のセリフが流行ったので、多くの方がこの作品を知っていると思います。

そして、その面白さも。

特に、お父さん世代には強烈に支持されていましたね。

テレビドラマを見た人は、まだ映像化されていないストーリーを読んでみてください。

気持ちの良くスカッとできる展開があなたを待っています!

世界から猫が消えたなら

出版社:小学館、作者:川村元気

郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、奇妙な取引を持ちかけてくる。

「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」

僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計……そして、猫。

僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。

とにかく読みやすいです。

読書初心者が何を読めば良いのか迷った時に、始めの一冊としてとてもおすすめ。

映画化もされているので、本を読み終わった後に見てみてください。

物語の内容がより自分のことのように感じられ、生き方を見つめ直すきっかけにしてくれるはずです。

ソードアートオンラン

出版社:電撃文庫、作者:川原礫

クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する──。謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン(SAO)』の“真実”を知らずログインした約一万人のユーザーと共に、その過酷なデスバトルは幕を開けた。 SAOに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。 クリア条件である最上階層到達を目指し、熾烈な冒険(クエスト)を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことになってしまう。その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし……。

私はアニメを見て本作を知りましたが、アニメのあまりの面白さに小説も読んでしまいました。

やはり、時間制限のあるアニメでは描かれていない、キリトとアスナの何気ない掛け合いが小説では楽しめますよ。

また、バトルシーンも非常に詳細に書き上げられているため、自分もそのバトルに加わったかのような錯覚に陥ります。

フルダイブ型MMOという夢のような設定が、いつか現実でも楽しめることを願ってやまないですね。

図書館戦争

出版社:角川文庫、作者:有川浩

正義の味方、図書館を駆ける!-公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。

ちょっと強引な設定にも関わらず、現実感は充分で気づいたら本の世界にのめり込んでいます。

ここまで集中した本はないくらいに、あっという間に読み終えてしまいますよ。

ラブロマンスもあり、読んでいて飽きのこない初心者におすすめの一冊です。

【ミステリー系】

天久鷹央の推理カルテ

出版社:新潮社、作者:知念 実希人

お前の病気(ナゾ)、私が診断してやろう。統括診断部。天医会総合病院に設立されたこの特別部門には、各科で「診断困難」と判断された患者が集められる。河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護士。突然赤ちゃんを身篭った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた……? 頭脳明晰、博覧強記の天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が解き明かす新感覚メディカル・ミステリー。

医学者ということで読むのが難しいと思っていましたが、全くそんなことはありません。

作者が現役の医者ということあって、とてもわかりやすく書かれているため、ストレスなく読み進められました。

さまざまな謎を持った患者が来るが、その一つ一つの謎が深く作り込まれていると同時に、意外なところでつながりを持っているため「そういうことだったのか!」と思わせてくれる作品ですね。

謎解きはディナーのあとで

出版社:小学館文庫、作者:東川 篤哉

ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。

彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。

本格ものの謎解きを満喫でき、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。

ミステリーとコメディを見事に融合させた素晴らしい作品です。

あまり重くならず、サクサクと読み進められるため、ミステリー初心者におすすめの一冊です。

嵐の櫻井さんと北川景子さんが主演でテレビドラマや映画化もされているので、ぜひ本を読んだ後にご覧ください。

密室の鍵貸します

出版社:光文社、作者:東川 篤哉

しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ!かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに?ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎるデビュー作。

本作は、前に紹介した「謎解きはディナーの後で」と同じ作者の方によって書かれています。

とにかく、読みやすさとミステリーの深さ、お笑い要素の融合が素晴らしい。

長編ミステリーにも関わらず、テンポが良く、あっという間に読み終えてしまうほどです。

ミステリーを読みたいけど、何を読めばいいか迷っている人は、是非この作者の本から読んでみてください。

十角館の殺人

出版社:講談社文庫、作者:綾辻 行人

奇怪な四重殺人が起こった孤島を、ミステリ研のメナバー7人が訪れた時、十角館に連続殺人の罠は既に準備されていた。予告通り次々に殺される仲間。犯人はメンバーの1人なのか?終幕のたった"1行"が未曽有の世界に読者を誘いこむ、島田荘司氏絶賛の本格推理。まだあった大トリック、比類なきこの香気!

長編ミステリーで500ページを超えるので、初心者には読みにくいと感じるかもしれませんが、一度読み始めると止まりません。

誰が、何の目的で犯行を行っているのかが気になりすぎて、常に頭の中で考えてしまいます。

犯行のトリックも相当練ってあるため、読み応えは抜群です。

氷菓

出版社:角川文庫、作者:米澤 穂信

何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。

さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――。

まったり学園ミステリーといったところでしょうか。

過激な表現が苦手な人にとっては、読みやすいミステリーですね。

謎解きの構成もしっかり考えられていて、読み終わった後の納得感は是非味わってほしいです。

ガリレオシリーズ

出版社:文春文庫、作者:東野 圭吾

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。

帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学、常識を超えた犯罪と謎に天才科学者が挑む。累計1300万部突破、空前絶後の人気ミステリー・シリーズの記念碑的第一作。

福山雅治さん主演で映像化されて、「実に面白い」のセリフが非常に有名な作品です。

小説の場合、1話が短いため、初心者でも読みやすいかと思います。

また、「科学の不思議」的なことをトリックにしていますが、小難しいことは無く軽い内容なので読み疲れません。文系でも問題なし!

そして誰もいなくなった

出版社:早川書房、作者:アガサ・クリスティー

さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。

タイトルくらいは誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。そのくらいミスリー界では超有名な作品ですね。

個人的には、トリックの作り込みが素晴らしいですね。

いつも犯人が誰か想像・推理品が読む人にとって、度肝を抜かれる展開。

最後まで誰が犯人か全くわかりませんでした。

何も言わずとりあえず、読んでほしい一冊です。

ホッグ連続殺人

出版社:早川書房、作者:ウィリアム・L・デアンドリア

雪に閉ざされたニューヨーク州スパータの町は、殺人鬼HOGの凶行に震え上がった。彼は被害者を選ばない。手口も選ばない。不可能としか思えない状況でも、確実に獲物をとらえる。そして巧妙に事故や自殺に見せかけたうえで、声明文を送りつけるのだ。署名はHOG-このおそるべき連続殺人事件解決のため、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が乗り出した!アメリカ探偵作家クラブ賞に輝く本格推理の傑作。

1979年に執筆された、古典ミステリーです。

かなり昔の小説ですので、読みにくさは若干あるかもしれませんが、それを上回るほど内容が濃く、面白いです。

タイトルの「ホッグ」とは一体何なのか?それがわからないまま物語が進んでいきますが、最後の最後にようやく判明し、その意味に驚愕します。

ミステリーに興味があれば、是非読んでおきたい一冊ですね。

オランダ靴の秘密

出版社:角川文庫、作者:エラリー・クイーン

オランダ記念病院に救急搬送された一人の患者。だが、手術台に横たえられた彼女は既に何者かによって絞殺されていた。犯行が可能だったのは手術前のたった数十分だけ――。

1987年に発行された小説で、本格ミステリー呼ばれるトリックに重きをおいた作品ですね。

しっかりと理詰めで謎解きを行っているため、読者も謎解きに参加しやすく、主人公と一緒になって事件を解決している錯覚になります。

読者を完全に納得させるトリック、意外な犯人、非常に読み応え抜群です。

ロシア紅茶の謎

出版社:講談社文庫、作者:有栖川 有栖

国名シリーズ、第1弾! 奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む!

1冊の中に複数の話が入っている短編集です。

その中でも、タイトルにある通り「ロシア紅茶の謎」が面白い。

読者への挑戦が挿入されており、「短編集なので流石にわかるかな」と思いましたが、全くわかりませんでした。

そのくらい話が作り込まれ、トリックが見えるようで見えないように設計されています。

ある程度ミステリーに慣れた頃に読んで、読者への挑戦に挑んでみてください。

【恋愛・青春系】

僕は何度でも君に初めての恋をする

出版社:スターツ出版文庫、作者:沖田 円

両親の不仲に悩む高1女子のセイは、ある日、カメラを構えた少年ハナに写真を撮られる。優しく不思議な雰囲気のハナに惹かれ、以来セイは毎日のように会いに行くが、実は彼の記憶が1日しかもたないことを知る-。それぞれが抱える痛みや苦しみを分かち合っていくふたり。しかし、逃れられない過酷な現実が待ち受けていて…。優しさに満ち溢れたストーリーに涙が止まらない!

ケータイ小説が元になっているため、初心者にとっては読みやすい。

情景描写もしっかり書かれているので、イメージしやすいのが読みやすさに繋がっているのだと思います。

小さな喜び、1日1日の過ごし方、人に支えられるありがたさなど、いろいろなことに気付かされる、感動ストーリーですね。

武士道シックスティーン

出版社:文春文庫、作者:誉田 哲也

宮本武蔵を心の師とする剣道エリートの香織。3歳ではじめた剣道に朝から晩まで打ち込み、負けることが大嫌いな彼女は、中学最後の大会で無名選手の早苗と対戦する。早苗に真正面からメンを決められ、負けてしまった香織。敗北の悔しさを片時も忘れられなくなってしまった。日本舞踊をやめ、中学から剣道を始めた早苗は重心を下にした柔らかな動きでみるみる成長するが、楽しさを求め勝敗には固執しない「お気楽不動心」。相反する二人が同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。

異なる性格の2人の心情が細かく書かれていて、どちらも魅力的な女の子に感じてきます。

学生の頃に部活に熱を入れた人・ライバルがいた人にとっては非常に共感できる内容ですね。

サクサク読めて後味の良い作品ですよ。

いちご同盟

出版社:集英社文庫、作者:三田 誠広

中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。

ページ数は約250ページとボリュームがないため、初心者の方にはとても読みやすいですね。

ページ数は少ないけど、内容は濃く、登場人物3人の関係性や心理描写がしっかりと盛り込まれているため、ストーリーに引き込まれます。

誰にでも辛いことはあるけど、それを抱えて生きていくことの大切さを学べる、とても心に刺さる良い作品です。

カラフル

出版社:文春文庫、作者:森 絵都

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。 自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。 ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。 学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。 絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。 ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。 モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくるーー。 高校生が選んだ読みたい文庫ナンバー1。

誰もが不完全さを思っていること・広い視野で周りを見渡すことの大切さを感じさせてくれる小説です。

非常に読みやすく、読んだ後すっと心が軽くなる良い作品ですよ。

「みんな違って、みんないい」ですね。

世界の中心で、愛をさけぶ

出版社:小学館文庫、作者:片山 恭一

高校2年生の朔太郎と、恋人のアキ。アキの死から、物語は始まる。ふたりの出会い、無人島への旅、そしてアキの発病、入院……。最愛の人を失うとは、どういうことなのか。日本中を涙させたラブストーリー。

映画化やテレビドラマ化された、ほとんどの人が知っているであろう作品です。

大切な人を失う辛さ、それを乗り越える大切さを本当の意味で教えてくれる感動小説ですよね。

まだ読んだことがない人は、是非手に取ってみてほしいです。(映像作品でも良いのでみてください!)

夜は短し歩けよ乙女

出版社:角川文庫、作者:森見 登美彦

黒髪の乙女にひそかに想いを寄せる先輩は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回。山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位、恋愛ファンタジーの大傑作!

テンポ良し!笑いあり!かわいい!でとても読みやすい作品です。

作者独特の表現で、読んでいると何度も「クスッ」とされます。

短編集になっているのも、初心者におすすめポイントです。

君は月夜に光り輝く

出版社:メディアワークス文庫、作者:佐野 徹夜

大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。

余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。

ストーリー自体はよくある難病物ですが、登場人物の心理描写が細かく書かれているため、ストーリーに深く惹きつけられます。

本のボリュームが約200ページと少ないことも相まって、とんでもないスピードで読み終えることができます。

恋愛系・感動系の読み初めにはもってこいの作品ですね。

秒速5センチメートル

出版社:角川文庫、作者:新海 誠

「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」。いつも大切なことを教えてくれた明里、彼女を守ろうとした貴樹。二人の恋心の彷徨を描く劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化。

とにかく切ない。

3部作で構成されているのですが、特に初めの「桜花抄」はグッときます。

「なんで!なんで!」と思わず心の中で叫んでしまうほど。

辛いことがあり、なかなか前に進めない人の背中を押してくれる、そんな小説です。

花束みたいな恋をした

出版社:リトルモア、作者:坂元 裕二

はじまりは、終電だった――東京・明大前駅で終電を逃し偶然に出会った山音 麦と八谷 絹。人生最高の恋をした、奇跡のような5年間を描く、不滅のラブストーリー。

大学生で、長期間の恋愛をした2人の「あるある」が見事にまとめられています。

心情描写がとても繊細で、綺麗で、「あぁ…」という感情が湧いてきます。

映画化もされているので、気になる方はそちもチェックしてみてください!

レインツリーの国

出版社:角川文庫、作者:有川 浩

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。やりとりを重ねるうち、僕は彼女に会いたいと思うようになっていた。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があって――。

聴覚障害者をテーマにした、深いストーリーです。

ただ、そこまで重い話ではないのでご安心を。

本書を読むことで、あらためて人を見た目で判断するのでなく、その人の背景、心を見ることの大切さを学ぶことができますよ。

【歴史系】

黒牢城

出版社:角川文庫、作者:米澤 穂信

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。

正直、難しい言葉や単語がたくさん出てくるので、初心者には読みにくいかもしれません。

ただ、それを遥かに上回る面白さがこの本にはあります。

初めは戦国謎解き物語と思っていましたが、将軍としての在り方、部下との付き合い方、さらには幅広い視野で物事を見ることの大切さなど、社会人として生きていく上で必要なことを教えてくれます。

ページ数も多いため、読み終えるまで時間がかかると思いますが、是非読んでほしいです。

しゃり

出版社:小学館文庫、作者:山本 一力

寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、日々精進を重ねていた。職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする。それが新吉の信条だったが、ふとしたきっかけで旗本勘定方祐筆・小西秋之助の知己を得る。武家の借金を棒引きにする「棄捐令」に思い悩む秋之助との間に、互いの生き様を通して生まれる男同士の信頼感。住む世界が異なろうとも、そこには己れの仕事に命を燃やす男たちの熱い心意気があった。

話が作り込まれているため、始め読みにくさはありますが、途中から話に引き込まれて江戸時代にタイムスリップしたかのような気分になります。

本とは別に、江戸時代の暮らしぶりを調べると、より小説の面白さが引き立ちますよ。

赤ひげ診療譚

出版社:新潮文庫、作者:山本 周五郎

幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の"赤ひげ"とよばれる医長新出去定に呼び出され、医員見習い勤務を命ぜられる。貧しく蒙昧な最下層の男女の中に埋もれる現実への幻滅から、登は尽く赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く快作。

かなり昔の作品ですが、今でも読んで話の内容にウルウルきます。

ストーリーも後半に近づくにつれて、どんどん面白さが増していくので、読んでいて飽きがこないのが凄いところですね!

壬生義士伝

出版社:、作者:

日本人の「義」とは何か。小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。“人斬り貫一"と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。「死にたぐねえから人を斬るのす」新選組で、ただひとり庶民の心を失わなかった吉村貫一郎の非業の生涯を描く、浅田次郎版「新選組」。

ストーリーが分かりやすく、難しい表現も少ないため、時代系初心者にはおすすめです。

周りに流されず、自分の意志を持つこと、そしてその意志に自信を持つことの大切さを教えてくれる小説ですね。

忠臣蔵

出版社:朝日文芸文庫、作者:森村 誠一

「忠臣蔵」という予備知識がないと読むのが難しいかもしれません。

登場人物の心の描写をうまく表現していているので、感情移入してしまいます。

興味がある方はまず、漫画家から読んでみると良いと思います。

しゃばけ

出版社:新潮文庫、作者:畠中 恵

江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

主人公と妖怪の掛け合いが愉快で、読みやすい小説です。

歴史物にも関わらず、現代風の言葉使いのため、特に苦もなく読み進められます。

みをつくし料理帖

出版社:時代小説文庫、作者:高田 郁

土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった-。

恵まれているとは言い難い主人公と取り巻く人物の個性が上手に書かれてて、読んでいてとても感動します。

ストーリー展開が見事に描かれていて、読んでいて飽きがきません。

シリーズ物なので、休みのを使ってどんどん読み進めてみても良いと思います。

編笠十兵衛

出版社:新潮文庫、作者:池波 正太郎

この小説の表現が素晴らしく、情景描写がどんどん頭の中に広がっていきます。

まるで映画を見ているような感覚に陥ります。

剣客商売

出版社:新潮文庫、作者:池波 正太郎

音もなく小兵衛の前に現われ、「秋山先生に勝つために」、8年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は?次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。愛弟子に〔なれ合い試合〕の許しを求められ、苦衷を察して許可を与えた小兵衛が、皮肉にもその試合の審判を引き受けることになる

時代が変わっても変わらない人の心の温もりは変わらないことを教えてくれる小説です。

テンポが良くて、読みやすいので、時代物の読書初心者におすすめの一冊です。

天地明察

出版社:角川文庫、作者:冲方 丁

江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること-。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

本の内容が、改暦を行うことで、算術、授時暦、天文学など普通の学生では習わないことが出てくるため、読みにくさはあります。

ただ、主人公のひたむきさ、必死さ、執念のような感情を通して、読者に何か一つでも打ち込めることがあることの大切さを学べます。

【短編小説】

ナミヤ雑貨店の奇蹟

出版社:角川文庫、作者:東野 圭吾

あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。

短編小説ですが、一つ一つの話が最終的に全てつながりを持っている、ちょっと複雑な小説です。

ただ、1話1話の話の内容は読みやすいため、初心者におすすめしています。

すべてを読み終わった後は、充実感や達成感を味わうことができるので、是非読んでみてください。

漫画や映画など色々な形で楽しむことができるので、興味があればそちらもチェックしてみてください。

だから見るなといったのに

出版社:新潮文庫nex、作者:恩田 陸

色とりどりの恐怖をどうぞ召し上がれ。あのとき、目をそらしていたら。でも、もはや手遅れ。あなたはもとの世界には二度と戻れない。恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人、おぞましい秘密を隠した恋人、身の毛もよだつ告白を始める旅の道連れ、そして、自分自身……。背筋が凍りつく怪談から、不思議と魅惑に満ちた奇譚まで。作家たちそれぞれの個性が妖しく溶け合った、戦慄のアンソロジー。

9人の作家の小説がまとまった、アンソロジー小説です。

恐怖をテーマにしていますが、そこまで怖い話はないため、初心者やホラーが苦手な人でも読みやすいと思いますよ。

迷犬マジック

出版社:双葉文庫、作者:山本 甲士

日々の生活がイマイチ冴えない人々の前に現れる黒柴の迷い犬。首輪にマジックと書かれた謎の犬の出現で、独居老人や路上ライブをする若者、小さな理容店を営むアラフォー独身男、ライター志望のアラサー女子の日常に少しずつ変化が訪れる。「ひかりの魔女」シリーズでお馴染みの著者による「ほっこり系」書き下ろし小説。

いろんな人が色々な悩みを抱えている中、夢を与えてくれる犬の登場が何ともいえません。

読み終わった後のほっこり感は何とも言えない感じになります。心地よいです。

5分間SF

出版社:早川書房、作者:草野 仁

「SFに興味があるけど何を読んだらいいかわからない」というあなたに。いつでもどこでも楽しめる、少し不思議なお話の玉手箱。

ほんとに5分で1話読めてしまいます。

どれだけ読書が苦手な人でも読書するきっかけを与えてくれる本ですね。

読むのを敬遠しがちなSFをさっくりを読めてしまえるのも、この本のポイントです。

ビタミンF

出版社:新潮文庫、作者:重松 清

炭水化物やタンパク質やカルシウムのような小説があるのなら、ひとの心にビタミンのようにはたらく小説があったっていい。そんな思いを込めて、七つの短いストーリーを紡いでいった。Family、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune…で始まるさまざまな言葉を、個々の作品のキーワードとして埋め込んでいったつもりだ。そのうえで、けっきょくはFiction、乱暴に意訳するなら「お話」の、その力をぼく(著者)は信じていた。

まず読んでほしい一冊。

心が優しい気持ちになれるのと合わせて、切なさも感じられます。

人間として、どうあるべきかを見つめ直すいい機会になると思います。

空中ブランコ

出版社:文春文庫、作者:奥田 英朗

ストーリー自体は、どこかで聞いたことがあるような物ですが、それ以上に物語の描写がうまく読んでいてとても面白いです。

話自体も面白いので、読んでいて全く飽きが来ません。

一度読むといつかまた読み出したくなるような、そんな小説です。

かささぎたちの四季

出版社:光文社文庫、作者:道尾 秀介

開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない-。

色々なストーリーがあり、それぞれでほっこりしたり、泣いたりなど、いろいろ楽しめます。

物語もしっかり作り込まれているため、短編にも関わらず読みごたえ抜群です。

ステップファザー・ステップ

出版社:講談社文庫、作者:宮部 みゆき

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。意外な結末が待ち受ける「ステップファザー・ステップ」など、すばらしい着想と軽妙なユーモアに彩られた傑作7編。

泥棒の主人公がとある事情で双子の中学生の父役をすることになるというユーモラスな設定で、想像通り読者を楽しませてくれます。

読め進めるうちに、主人公が双子に愛着が湧いてくる心情が分かり、心をポカポカした気分にさせてくれます。

終末のフール

出版社:集英社文庫、作者:伊坂 幸太郎

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。

地球滅亡までの3年で何をするのかを考える結構重めのテーマにも関わらず、本筋への深入りを避けていて、非常に読みやすいです。

さまざまな人の生き方・考え方を通して、自分だったらどうするのかを真剣に考えてしまいます。

ぜひ読む前に次のことを考えてみてください。

「今の自分の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか?」

THE 密室

出版社:有楽出版社、作者:泡坂/妻夫

時代を超えて美しい謎が残った密室ミステリーアンソロジー。7つの密室と7つの謎。

ミステリー作家として有名な7人の作品が集まった、密室事件をまとめた小説。

7つのミステリーが1冊にまとめられている割に、1話の内容は非常に濃いため、読みごたえはしっかりありますよ。

【スポーツ系】

ボックス

出版社:講談社文庫、作者:百田 尚樹

天才vs.努力家

性格は正反対。二人の幼なじみの共通点は「ボクシングが好き」。それだけ。いま最も日本人を感動させている作家、唯一無二の青春小説!天才的なボクシングセンス、だけどお調子者の鏑矢義平(かぶらやよしへい)と、勉強は得意、だけど運動は苦手な木樽優紀(きたるゆうき)。真逆な性格の幼なじみ二人が恵美寿(えびす)高校ボクシング部に入部した。一年生ながら圧倒的な強さで勝ち続ける鏑矢の目標は「高校3年間で八冠を獲ること」。だが彼の前に高校ボクシング界最強の男、稲村が現れる。

とにかく胸を熱くさせてくれる小説です。

スピード感やテンポが良く、あっという間に読み終わります。

青春時代のワクワク感をまた思い出したい方は、ぜひ一度読んでみてください。

一瞬の風になれ

出版社:講談社文庫、作者:佐藤 多佳子

「速くなる」――ただそれだけを目指して走る。白い広い何もない、虚空に向かって……。春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える――。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。

ページ数が少なく、行間がしっかりとあるため、読書に慣れていない人でも、半日あれば読み終えることができますよ。

親友の背中を追いかける主人公の心情をしっかりとまとめ上げているため、感情移入してしまいます。

スポーツ系小説が初めての人は、まず読んでみて下さい。

銀色の絆

出版社:PHP文芸文庫、作者:雫井 脩介

「あの日から、母は変わった――」▼夫の浮気が原因で離婚し、娘の小織とともに名古屋へと転居して無気力な日々を送る藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチ・上村美濤先生に才能を見出された娘を支えることに、生きがいを感じ始める。▼「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。▼クラブ内の異様な慣習、元夫からの養育費の途絶、練習方針を巡るコーチとの軋轢――フィギュアスケートにのめり込む梨津子の思いに、小織は戸惑いながらも成績を上げていくのだが……。

あさのあつこさんが「大袈裟でなく、心身が震えた」というくらい、素晴らしい作品です。

フィギュアスケートというあまり見ない題材を使用して、うまいこと心温まるストーリーを作成されています。

読めば一度はフィギアスケートやってみたいと思うはず。

バッテリー

出版社:角川文庫、作者:あさの あつこ

中学入学を目前に控えた春休み、父の転勤で岡山の県境の街に引っ越してきた巧。ピッチャーとしての自分の才能を信じ、ストイックにトレーニングに励む巧の前に同級生の豪が現れ、バッテリーを組むが……。

実写映画化もされているくらい有名な作品ですね。

自分の力だけを信じていた主人公に対して、仲間の大切さを伝える仲間。そしていつしかそのことに気づき、成長していく主人公。

細かく書かれている心情描写を読んでいると、自分も彼らと同じ仲間意識が生まれて、物語にどっぷりと浸ることができます。

野球が題材ということで、老若男女問わず、幅広い人におすすめできる作品です。

風が強く吹いている

出版社:新潮文庫、作者:三浦 しをん

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。

約650ページ以上にわたる長編小説にも関わらず、話の疾走感が心地よく、早く次のページへ次のページへと読んでしまい、気づいたら読み終わっています。

毎年行われている箱根駅伝が好きになりますよ。

DIVE

出版社:角川文庫、作者:森 絵都

高さ10メートルから時速60キロで飛び込み、技の正確さと美しさを競うダイビング。赤字経営のクラブ存続の条件はなんとオリンピック出場だった。少年たちの長く熱い夏が始まる。小学館児童出版文化賞受賞作。

高床飛び込みというマイナー種目を題材にしているが、その競技での主人公たちの苦悩や葛藤が分かりやすく書かれています。

読み終えた頃には、この競技に興味が湧いているはずです!

がんばっていきまっしょい

出版社:幻冬舎文庫、作者:敷村 良子

映画化やテレビドラマ化もされている名作です。

この小説は、水上スポーツである「ボート」を題材に、少女たちの一生懸命さを味わえます。

笑いあり、涙あり、感動ありで読みやすい小説ですよ。

ダッシュ!!

出版社:、作者:

ロンドン五輪リレー選手・土井杏南さんも推薦! 実力は平凡、リーダータイプじゃない三雲真歩が、陸上部の次期キャプテンに指名される。キャプテンらしいことは言えず、タイムも切れず、おまけにみんなともぎくしゃくしてしはじめて……。ぱっとしない真歩は、生まれ変わることができるのか? よろこびも悲しみも、すべてをわかちあえる仲間と、最後まで歩めるのか? 熱い思いを秘めた、新しい青春小説が今、生まれる!

登場人物それぞれについてしっかり描かれており、「全員主人公なのかな?」って思うくらい面白い作品です。

中学生ならではの悩みや葛藤を細かく描写されているので、読んでいると童心に帰れますよ。

ノーサイド・ゲーム

出版社:ダイヤモンド社、作者:池井戸 潤

池井戸潤最新作! 2019年7月放映、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS日曜劇場)の原作。経営戦略室から左遷された男が挑む――。低迷ラグビー部を“経済的に”立て直せ!

ラグビーを題材にしており、競技ルールが分からなくて不安でしたが、試合の描写や人間関係などが細かく書かれているため、サクッと読めてしまいます。

「半沢直樹」同様に、期待を裏切らないすっきりとした小説ですね。

ドラマも面白いので、そちらも見てみてください。

左手一本のシュート

出版社:小学館文庫、作者:島沢 優子

希望あふれる高校入学式の3日前。県下No.1のバスケット選手・田中正幸15歳を、脳動静脈奇形による脳出血という悲運が襲った。もうバスケットは無理…その宣告を覆し、正幸は絶望の底で夢を心に誓う。「再び試合のコートに立ってみせる!」。そんな夢が、そして強い意思が、驚愕の復活を生んだ。

突然の病気によって、大好きなバスケットができなくなった少年の夢を追いかける、ノンフィクション小説です。

どれだけ追い込まれようが、少年の諦めない気持ちが読んでいて伝わってきます。

「自分も諦めず、もっと頑張ってみよう」と思わせてくれる、とても良い作品ですね。

【ライトノベル】

アニメ化や漫画化しているライトノベルをまとめているので、本が苦手な人はまずアニメや漫画からどうぞ。

アニメや漫画から入り、気になったタイトルがあれば、その小説を読んでみることをおすすめします。

バカとテストと召喚獣

出版社:ファミ通文庫、作者:井上 堅二

「こんな教室は嫌じゃああっ!!」アホの明久は叫んだ。ここ文月学園では、進級テストの成績で厳しくクラス分けされる。秀才が集まるAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備だが、彼のいる最低Fクラスの備品はボロい卓袱台と腐った畳だけ。明久は密かに憧れる健気な少女・瑞希の為、組代表の雄二をたきつけ対クラス戦争を始める。それは学園が開発した試験召喚獣を使い、上位の教室を奪うという危険な賭けだった!?

とにかくめっちゃ面白いです!

特に、テストの解答に対する教師のツッコミが最高です。

一般的な学園物で、サクッと読み進められるので初心者におすすめ。

Re:ゼロから始める異世界生活

出版社:MF文庫J、作者:長月 達平

突如、異世界へ召喚された高校生ナツキスバル。普通の一般人である彼に特殊な知識も技術も武力もあるわけもなく、さらに手にした能力は『死んだら時間が巻き戻る』という痛みを伴う『死に戻り』のみだった!

「異世界+タイムリープ」を題材にした、ありそうでなかった小説ですね。

繰り返される死を通して主人公が絶望してく姿とそれを乗り越える強さが細かく描写されているので「自分もがんばろう!」と思わせてくれます。

テレビアニメも相当人気で、戦闘シーンの迫力は半端じゃないです。ぜひご覧ください。

転生したらスライムだった件

出版社:シリウスコミック、作者:川上泰樹

何という事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた…はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない…。そんな状況の中、自分があの"スライム"に転生してしまった事に気づく。最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター"暴風竜ヴェルドラ"と出会ったことで運命は大きく動き出す-。ヴェルドラに"リムル"と名付けてもらい、スライムとして新たな異世界生活をスタートさせた矢先、ゴブリンと牙狼族との争いに巻き込まれ、いつしかモンスターたちの主として君臨することに…。相手の能力を奪う『捕食者』と世界の理を知る『大賢者』、二つのユニークスキルを武器に最強のスライム伝説が今始まる!

スライムなのに最強というギャップがあってこの後どうなるんだろうとついつい読み進めてしまいます。

話がさくさく進むので、とても読みやすい小説です。

ノーゲーム・ノーライフ

出版社:MF文庫J、作者:榎宮 祐

ニートでヒキコモリ、だがネット上では都市伝説とまで囁かれる天才ゲーマー兄妹・空と白。世界を「クソゲー」と呼ぶそんな二人は、ある日"神"を名乗る少年に異世界へと召喚される。そこは神により戦争が禁じられ、"全てがゲームで決まる"世界だった-そう、国境線さえも。他種族に追い詰められ、最後の都市を残すのみの『人類種』。空と白、二人のダメ人間兄妹は、異世界では『人類の救世主』となりえるのか?-"さぁ、ゲームをはじめよう"。

いろんなゲームをさまざまな攻略法で突破していく様子は、読んでいてスカッとします。

文章について癖がちょっとあり、読みにくさを感じるかもしれませんが、それを上回る内容の面白さ。

一度読み始めたら続きが読みたくなり止まらなくなるため、ご注意ください。

とある魔術の禁書目録

出版社:電撃文庫、作者:灰村 キヨタカ

「超能力」が“一般科学”として認知された世界――。東京西部に位置する人口230万人弱の巨大都市。人口の約8割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれていた。落第寸前の高校生・当麻は、ある日「魔術(オカルト)」の世界から逃げてきたというシスター姿の少女・インデックスに遭遇。最初は半信半疑だったが、二人の前に本当に魔術師が現れて――!?

「魔術」と「科学」が融合した異能力バトル物の小説。

個性豊かな登場人物とその背景や心情を細かくまとめ上げているため、読んでいて飽きがきません。

ライトノベルの中でもかなりの長編で、長い期間楽しむことができますよ。

オリジナルの映画もあるため、小説にハマった人はぜひご覧ください!

やはり俺の青春ラブコメは間違っている

出版社:ガガガ文庫、作者:渡 航

ラブコメ要素はあまりなく、学校生活で抱える悩みや葛藤をかなりリアルに表現してある小説です。

とは言ってもそこまで暗い話ではなく、結構笑えることもあるので、初心者におすすめです。

主人公やその担任たちから、考えさせられる名言がたくさん出てきます。ぜひ「名言 俺ガイル」で検索してみてください!

無職転生〜異世界行ったら本気出す〜

出版社:角川文庫、作者:理不尽な孫の手

34歳無職童貞のニートは無一文で家を追い出され、自分の人生が完全に詰んでいたと気付く。己を後悔していた矢先、彼はトラックに轢かれ呆気なく死んでしまう。ついで目を覚ました場所は――なんと剣と魔法の異世界だった!!

ルーデウスと名付けられた赤ん坊として生まれ変わった彼は、「今度こそ本気で生きて行くんだ……!」と後悔しない人生を送ると決意する。

前世の知能を活かしたルーデウスは瞬く間に魔術の才能を開花させ、小さな女の子の家庭教師をつけてもらうことに。さらにはエメラルドグリーンの髪を持つ美しいクォーターエルフとの出会い。彼の新たな人生が動き始める。

――憧れの人生やり直し型転生ファンタジー、ここに始動!

転生先でもけしてチートのようなスキルを持っておらず、前世の経験と記憶から反省をし、物語と共に成長を重ねている主人公を純粋に楽しめる作品です。

さらに、笑いやゲス、シリアスと、話にメリハリがあってサクッと読めてしまうテンポの良い作品ですね。

電波女と青春男

出版社:電撃文庫、作者:入間 人間 

じわじわと物語の世界観に引き込まれ、気づいた頃にはハマっている、そんな作品です。

特にヒロインが可愛く、読んでいて飽きません。

癖の強い小説ですが、一度読んでみることをおすすめします。

この素晴らしい世界に祝福を

出版社:角川スニーカー文庫、作者:暁 なつめ

ゲームを愛する佐藤和真は女神を道連れに異世界転生。大冒険が始まる……と思いきや、衣食住を得るための労働が始まる。「安定」を手にしたい和真だが、女神が次々問題を起こし、ついには魔王軍に目をつけられ!?

ラノベのコメディ要素は、ちょっとくさいところがあるけど、この作品は純粋に面白いです。

さくさく読める内容と次を読みたくなる展開が毎度心地よく、何度読み返しても楽しめる作品ですね。

異世界食堂

出版社:ヒーロー文庫、作者:犬塚 惇平 

どこかで食べ慣れた料理を、異世界人からの斬新な目線でとても美味しそうに、食べたくなるように書かれています。

1話1話が短く、文章に癖がないため、とても読みやすいです。

ガッツリ読書時間を取れない読書初心におすすめ!

【ほっこり・心温まる系】

神様のカルテ

出版社:小学館文庫、作者:夏川 草介

栗原一止は信州の病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。

そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。

悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。

優しい心を持った主人公とその主人公をしっかり支える妻、そして患者さんたちの人間関係にスポットを当てた、心温まる小説。

ちょっと人間関係で疲れた時に読むと、心がスッと軽くなります。

ちょっとした笑い要素とガッツリの感動要素をうまく融合させた、最高の作品です。

崩れる脳を抱きしめて

出版社:実業之日本社文庫、作者:知念 実希人

最後の最後まで結末がわからないミステリー&ラブストーリー小説です。

中盤あたりで自分の考えと一致た結論が浮かびますが、ラストに全てひっくり返されます。

作者のうますぎる文章術に脱帽です。

鴨川食堂

出版社:小学館文庫、作者:柏井 壽

京都・東本願寺の近くにあるというその食堂には看板がない。食堂を切り盛りするのは、鴨川流とこいしの親子二人。この食堂では、もう一度食したい食べ物の味を少ない手がかりから再現してくれるという。店に辿り着く手がかりはただひとつ、料理雑誌に掲載される<“食”捜します>の一行広告のみ。

「鯖寿司」「ビーフシチュー」「鍋焼きうどん」「とんかつ」「肉じゃが」「ナポリタン」の思い出と味を求めて、六人の客が訪れる。

短編小説とは思えないほど内容が濃く、それぞれの話で感動します。

いつも料理を作ってくれる母に対して感謝の思いを思い出させてくれる、そんな心温まる小説です。

ツバキ文具店

出版社:幻冬舎、作者:小川 糸

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。

「ふわふわ」、「ほわほわ」そんな表現が似合う小説です。

代筆屋という珍しい設定にまず惹かれ、温かくもちょっぴり切ないストーリーにどんどん惹かれていきます。

文字を書く大切さをあらためて感じることができる素晴らしい作品ですね。

ランチのアッコちゃん

出版社:双葉文庫、作者:柚木 麻子

テンポ良く進むストーリーのため、読みやすさが尋常ではないです。

また、仕事で疲れて帰った後に読むと、「また明日も頑張ろう!」とポジティブな気分にさせてくれます。

祈りのカルテ

出版社:角川文庫、作者:知念 実希人

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。

この本に収録されているすべての話がほっこりします。

患者にしっかりと寄り添う主人公の温かみを細かい描写から感じることができ、「こんな病院で受診してみたいな」と感じさせられます。

旅屋おかえり

出版社:集英社文庫、作者:原田 ハマ

売れないアラサータレント“おかえり"こと岡えりか。ひょんなきっかけで始めた「旅代理業」は依頼人や出会った人々を笑顔に変えていく。『楽園のカンヴァス』の著者が贈る感動の物語。

原田ハマさんの優しい文体が心を癒してくれると同時に、サクサクと読み進められます。

現実ではなさそうな仕事を題材に、旅先の人との触れ合いを通じて心を暖めてくれる小説です。

ペンギンハイウェイ

出版社:角川文庫、作者:森見 登美彦

小学4年生のぼくが住む郊外の街に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎の研究を始めるが-。冒険と驚きに満ちた長編小説。

物語の冒頭からタイトルである「ペンギン」が登場したり、「お姉さん」というこの物語においては究極の未知なる存在がいたり、序盤から謎だらけで物語が進みます。

読み進めると、その謎の解明と伏線の人間模様が柔らかく交差していき、最後にはホロっとさせてくれます。

夜のピクニック

出版社:新潮文庫、作者:恩田 陸

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために-。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る-。

青春ど真ん中を突き抜ける作品です。

現役高校生よりも、社会人が読んだ方がより面白さを感じることができます。

当時のキラキラ、ドロドロしていた高校生活を思い出しなが、読んでみてください。

昨夜のカレー、明日のパン

出版社:河出文庫、作者:木皿 泉

なんでもない日常でもかけがいのない日であることをあらためて感じさせてくれる作品です。

読み進めるうちに笑いや涙が溢れてきて、読み終わるまで止まらないです。

【ホラー系】

クリムゾンの迷宮

出版社:角川ホラー文庫、作者:貴志 祐介

藤木芳彦は、ある日、全く見覚えのない場所で目を覚ました。うっすらと霞む視界に映ったのは、雨に濡れ、一面鮮やかな深紅色に染まった異様な世界。奇岩に囲まれた峽谷だ。記憶喪失か、それとも……。

難しい言い回しや語彙がちょっと多く読みづらさは感じますが、それを上回る臨場感と緊迫感を感じるため、どんどん読み進められます。

ホラー要素が強いため、夏の暑い日に読むと背筋がゾッとして心地よい気分になれますよ。

天使の囀り

出版社:角川ホラー文庫、作者:貴志 祐介

アマゾン奥地を探検したメンバーが帰国後、次々と異常きわまりない自死を遂げる。彼らの中で、何が起きたのか。迫り来る死の予兆と快楽への誘惑。漆黒の闇から今、天使が舞い降りる。

情景描写が素晴らしく、読んでいるとホラーシーンが頭に浮かんで消えません。

読み飛ばしたくなるくらい怖いけど、結局じっくり読んでしまう不思議な小説です。

読んだ後当分の間本書のホラーシーンが浮かんで、夜寝れなくなるかもしれませんので、ご注意を。

六番目の小夜子

出版社:新潮文庫、作者:恩田 陸

謎がすっきりと解消しないままに終わって、ちょっとモヤモヤ感がある作品ですが、高校生という人生でも不完全な舞台であるため、どこか許せてしまいます。

そして、登場人物がその舞台で行き行きと描かれているため、読んでいてどこか懐かしさを感じることができますよ。

学校の怪談 百円のビデオ

出版社:講談社文庫、作者:常光 徹

びっくりするくらい読みやすい本で、ホラー小説初心者におすすめです。

話のボリュームにちょっと物足りなさは感じますが、読書の入り口としては良き。

屍鬼

出版社:新潮文庫、作者:小野 不由美

199X年夏。人口わずか1300人、山に囲まれ孤絶した外場村に続出する変死者たち! 死亡直前の症状に不審を抱く医師・尾崎敏夫と旦那寺の跡とり・室井静信。死亡したはずの同級生の視線を感じる結城夏野。死者と入れ替わるように移住してきた謎の家族。得体の知れない“死"がそれぞれの運命を大きく変え始める…。

5巻全てを読んでようやく完結する、ちょっと長いホラー小説です。

1巻目は、最後に向けた地ならしをしているため、ちょっと読みにくさや訳のわからないことが出てきますが、2巻目からはその謎が少しづつ解明させていくため、どんどん読み進められます。

クライマックスは本当に心に響きますよ。

出版社:角川ホラー文庫、作者:曽根 圭介

外科医は、被差別者を救うために違法な手術をすることを決意する。暴力刑事は、少女の行方不明事件の捜査中に、かつて自分が通り魔として傷つけた男に出会う。2人の物語が交差する時、衝撃の結末が!

短編が3部収録されている小説です。

その3部とも、展開が全く予想できず、作者の掌の上で踊らされる結果になります。でもなぜかすっきりとしているのが不思議。

後味の悪さも感じますが、ホラーとして考えるとアリだなと考えさせられます。

おしまいの日

出版社:中公文庫、作者:新井 素子

サイコホラーでもあり、ラブストーリーでもある作品。

話が進むについて主人公が荒れて、サイコパスになっていく姿を分かりやすく描写してあり、現実のような錯覚を覚えます。

何の変哲もない日常に、恐怖が潜んでいるかもしれないと、気を引き締められますよ。

Another

出版社:角川文庫、作者:綾辻 行人

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた! この”世界”ではいったい何が起きているのか!?

ホラーとミステリーを掛け合わせた本作は、ストレスなくスラスラ読み進められますよ。

アニメ、映画、漫画とさまざまな形で取り上げられているので、見比べてみるのも面白いと思います。

黒い家

出版社:角川ホラー文庫、作者:貴志 祐介

顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。第4回日本ホラー小説大賞受賞。

現実世界でも起きそうなストーリー展開で、話の怖さが倍増します。

めちゃめちゃ怖いので、ホラーに慣れていない人は手を出さない方が良いかと。

逆に、ホラー好きなら絶対に読んでください!後悔しませんよ!

親指さがし

出版社:幻冬舎文庫、作者:山田 悠介

「ねえ、親指さがしって知ってる?」由美が聞きつけてきた<バラバラ殺人事件>と奇妙な儀式の噂話をもとに、武たち5人の小学生が遊び半分で始めた「指親さがし」。が、終わって目を開くと、そこに由美の姿はなかった。それから7年。大学生になった武は、噂で聞いた殺人事件が事実だったことを知る…。呪いと恐怖のノンストップ・ホラー。

読みやすさと程よいホラー要素のため、初心者におすすめです。

ページ数も多くなく、一週間もあれば読めると思いますので、興味があればぜひお手に取ってみてください。

【SF】

マイナス・ゼロ

出版社:集英社文庫、作者:広瀬 正

1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械-それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。

昭和初期の話で、ちょっとついていけないかと思いきや、当時の情景がうまいことまとめてあるため、超リアルに感じられます。

SF要素も複雑さがないため、初心者の方には読みやすいかと思います。

7回死んだ男

出版社:講談社文庫、作者:西澤 保彦

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが――鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!

SF+ミステリー+本のちょっとのコメディ感が楽しめる作品です。

SFの設定が複雑で始めは読みにくさを感じますが、分かってしまうと本の虜になってしまいますよ。

時をかける少女

出版社:角川文庫、作者:筒井 康隆

放課後の理科実験室で、ガラスの割れる音がひびいた。床の上で、試験管から流れ出た液体が白い湯気のようなものをたてていた。甘くなつかしいかおり…、そのにおいをかいだ芳山和子はゆっくりと床に倒れふしてしまった-。それ以来、和子のまわりで不思議な事件が次々と起こった。夢をみているのかしら、それともこのわたしだけ時間が逆もどりしているのかしら?和子は同級生の深町一夫と浅倉吾朗に相談するのだが…。

細田守監督のアニメ映画がとんでもなく有名ですよね。

タイムリープ系のSF小説の中でも群を抜いて面白いですよね。

何度見ても楽しいし、最後は切ないしで、最高の作品です。

果てしなき流れの果てに

出版社:ハルキ文庫、作者:小松 左京

しっかり目のSF小説で、日本のSF小説の中でも相当有名でファンが多くいる作品です。

一度読んだだけではなかなか理解できない設定ですが、何度も読み直すことでどんどん理解でき、完全にわかってしまうと最高であることに気付けます。

初心者の方にはハードルが高いかもしれませんが、挑戦するだけの価値は十分にありますよ。

夏への扉

出版社:ハヤカワ文庫SF、作者:ロバート・A・ハインライン

970年、なにもかもを失ったぼくは、飼い猫のピートと一緒に"夏への扉"を探しにいくことにしたーー。

60年以上も前に書かれたと思えないほど、作者の発想力には驚かされます。

SFは暗い話が多い印象ですが、この小説はいい感じの明るさを感じます。

2021年に映画化もされているので、それを見るのもおすすめです。

エンダーのゲーム

出版社:ハヤカワ文庫SF、作者:オースン・スコット・カード

人気イラストレーター・秋赤音氏を起用したキャンペーンが、 全国アニメショップ他で展開中 異星人バガーの侵略に備えて設立されたバトル・スクールで、エンダーは司令官となるべく訓練を重ねていく……ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作

よくある、異星人とのバトルSF小説です。

ただ、無駄な説明が少ないせいか、サクサク読み進められるため、とても読みやすいです。

主人公の「俺TUEEE」状態もくどさがないため、逆に心地よいですよ。

都市と星

出版社: ハヤカワ文庫SF、作者:アーサー・C・クラーク

遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は…。

作者はどこまで先の未来を読んでいるのかと思わせられる、トンデモスケールのSF小説です。

展開はよくある感じなので、読んでいて違和感を覚えることなく読み進められますよ。

超有名作品なので、一度は読んでみてください。

宇宙の戦士

出版社:ハヤカワ文庫SF、作者:ロバート・A ハインライン

未来の宇宙戦を迫真の筆致で描き、ヒューゴー賞に輝いたミリタリーSFの原点、ここに

青少年を対象とした小説ですが、内容的に道徳的な話が出てくるので、大人も楽しめるし、考えさせられます。

一度読んだ後に、何年も時間を置いて読むことで別の楽しみ方ができる小説ですね。

鋼鉄都市

出版社:ハヤカワ文庫SF、作者:アイザック・アシモフ

宇宙殺人事件を通して、男同士の友情を感じることができるSF作品。

近年人工知能によって職を失う人が多くなるという問題を、執筆当時から予想しているので、作者の凄みを感じます。

三体

出版社:ハヤカワ文庫SF、作者:劉 慈欣

父を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波は、惑星〈三体〉の異星人に届き、地球を揺るがす大災厄を招くことに……! 中国で社会現象となったアジア最大級のSF小説、ついに登場!

始め場面転換が多く、何が何だかわからない状態に陥りますが、読み進めるうちにすべてのピースが繋がっていきます。

アメトークの読書大好き芸人でも紹介されており、本当に面白く何度も読みたい衝動に駆られます。

分量が多く、初心者には厳しいかもしれませんが、読書に慣れたら是非挑戦したい一冊ですね。

小説の選び方を解説

小説の選び方については、以下の記事を参考にしてください。

読み方のコツについても詳しく紹介していますので、このコツを使ってどんどん本を読みましょう!

>>読書初心者に捧げる!おすすめ本と本の選び方、読み方のコツについて

たくさん小説を読む方法について

たくさん小説を読む方法としては、以下のようにいろいろあります。

  • 図書館を利用する
  • 中古本を買う
  • サブスクの無料期間を利用する
  • 無料の読書サイトを利用する
  • 青空文庫を利用する

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

いろいろ試して、自分になった方法を見つけ、たくさんの本を読みましょう!

無料で本を読む方法5選【おすすめ無料読書サイト・サービスも紹介】

原作を読んだ後は、映画やアニメでもっと楽しもう!

原作で興味を持った後は、映画やドラマを見ることで、さらに楽しむことができますよ。

おすすめの動画視聴サイトは以下の通りです。

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まとめ

どうだったでしょうか?

1冊は気になる本があったのではないかと思います。

その本をきっかけに、読書好きになってくれることを願っています。

いつか本の話をできるようなれると私もうれしいです。

今回は、以上です。

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  • この記事を書いた人

かつのぶ

読書が大好きな地方エンジニア | 田舎企業就職→6年継続も給料変化なし→Web制作副業→現在ブログ挑戦中 | Web制作4ヶ月で初収益 | 主に読書から得た情報や日常で感じたことを中心に発信します | 朝活愛してます

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